発達障害の子どもたちとの関わり方はどうすればいいの?
学童保育の生活の中で支援が必要な子どもの何を大切にしたらいいの?
うんうん・・・
悩むよね・・・
今日は発達障害の子どもたちと学童保育とは?についてイオピーマンなりに簡単にわかりやすくお伝えします。
この記事を読むことで、支援が必要な子どもと関わる上で大切にしたい視点が理解できるようになります。
そうなることで、支援が必要な子どもも、そうでない子どもたちも豊かな学童保育生活が送れるようになります。
また指導員としてステップアップするチャンスとなり得ますので、どうぞ最後までお付き合いください。
発達障害とその種類は?
発達障害とは、発達の凸凹のことです。
できることはすごくできて、できないことはすごく苦手となる発達の障害のことです。
その凸凹の加減が他の子どもと比べて大きいという特徴があります。
凸も大きい
凹も大きい
例えば、
すごく電車の種類は覚えている・・・
でも
漢字を覚えるのは極端に苦手・・・
というケースなどです。
発達障害の種類は
(ASD)自閉スペクトラム症
(ADHD)注意欠陥・多動性障害
(LD)学習障害
などに分けられます。
発達性協調運動障害(DCD)、チック障害、吃音症なども発達障害に含まれます。
また知的障害の子どもたちも学童保育を利用する場合もあります。
その他、診断はされていなくても、その特性がみられるグレーゾーンと呼ばれる子どもたちもいます。
発達障害には個人差があります。
同じ種類の障害であっても個人差は生じますし、複数のタイプの発達障害をもっている場合も少なくありません。
できること、できないことも、その子の特性によって異なります。
発達障害の種類や特徴についてしっかりと学び、その子にあった対応や関わり方を理解することは指導員としてとても重要です。
運営指針では
第三章2.障害のある子どもへの対応
(2)障害のある子どもの育成支援に当たっての留意点
・障害のある子どもが、放課後児童クラブでの子ども達との生活を通して共に成長できるように、見通しを持って計画的な育成支援を行う。
・継続的な育成支援を行うために、障害のある子ども一人ひとりについて放課後児童クラブでの状況や育成支援の内容を記録する。
・障害のある子どもの育成支援についての事例検討を行い、研修等を通じて、障害について理解する。
放課後児童クラブ運営指針
などと記されています。
一人ひとりに応じた支援方法を把握して、指導員同士がその関わり方について共通理解をすることも必要となります。
その子に対する指導員の関わりがバラバラであると、その子自身に困惑を招いてしまいます。
チームワークだね。
そのために、発達障害の種類と特徴について指導員たちが学ぶことは大切となりますが、今回はその内容にはふれません。
そこは各自で・・・
ここでは、どんな障害をもっている子どもであろうと、学童保育所で楽しく、心地よく過ごすためには何が必要か?という内容について言及していきます。
そのための基本的な考え方や関わり方のスタンスについて確認をしていきます。
みんなにとって居心地のよいところ・・・
安心と安定が土台となる居場所づくりは、学童保育の生活の要と言えます。
楽しい・・・
心地いい・・・
学童保育所に通う子どもたちは、心とカラダが解放された状態で自由に生活できる環境が大切にされています。
➡学童保育所はどんなところ?放課後は子どもたちの自由な時間‼️
学校が勉強をがんばるところであれば、学童はリラックスしてあそぶところです。
役割の違いは明確です。
発達障害を抱える子どもたちも同じです。
学校で一日がんばったあとは、学童で自由に過ごせます。
まずはここがポイントとなります。
自由に、ありのままの自分でいられる環境が、学童に通うすべての子どもたちに必要な要素となります。
支援が必要な子どもも、そうでない子も学童保育所は、その子にとって居心地がいい場所でなければいけません。
だから、
居心地がいい♡
を最優先させる生活づくりが大切となります。
発達障害の子どもたちにとっても
居心地がいい♡
となる支援をすることが私たちに求められているのです。
それが学童保育指導員として必要な専門性であり資質であると言えます。
そしてそれが学童保育の役割となります。
発達支援の療育をする場所(放課後デイなど)との役割の違いはそこにあります。
能力アップやその子の課題を克服する場所と学童保育の役割は混合しがちです。
しかし、それぞれの支援方法の性質が異なることを理解しておくことが重要です。
放課後デイの支援方法や作業療法などが、その子にとって不可欠な関わりであることは変わりありません。
しかし、何度も繰り返しますが、学童保育で求められる支援内容とは異なることを理解する必要があります。
能力アップを学童で補うことも可能かもしれませが、
できる・・・できない・・・
にとらわれる支援法や関わり方だけが優先されてしまうと、学童保育の場合は指導員も子どもも、しんどさだけが先走り、お互いに負担が大きく掛かってしまう話を耳にします。
できなくても大丈夫♪
ここは居心地がよくて
楽しいところだよ♡
私たちはいかに、その子たちにとって居心地のよい環境をつくれるかがポイントとなります。
でも何から始めたらいいの?
まずはその子のことをよく知ることから始めていきます。
適切な関わり方を考える
何が適切な関わりかを考えるときに、まずはその子の特徴をつかむことから始めていきます。
ここで、発達障害の種類とその特徴を理解しておくことが役立ちます。
ASDは・・・
ADHDは・・・
その子自身の特徴について理解を深めるために、その障害の種類と特徴を踏まえることが有効です。
・この前一緒にあそんだ感じから考えてみると・・・
・きっと、この行動にも意味があるとすれば・・・
・この子にとってふさわしい関わり方は・・・
このときに注意が必要です。
①その子にとっての特性を理解するために、②発達障害の種類とその特徴を理解しておくという順番が大切となります。
順番?
・ASDだから・・・こんな対応をするべし
・ADHDだから・・・こうしたらいい
と種類の特徴から当てはめる考え方ではなく
・この子にとって・・・
・この子の特性を踏まえて・・・
とその子に合った支援法から考えます。
その順番がカギを握ります。
発達障害の種類と特徴を優先して考えてしまうと支援の幅が窮屈になってしまうことがあります。
こう関わるべきっ‼
障害の特性に、その子を当てはめる考え方ではうまくいきません。
ここも繰り返しになりますが・・・
その子にとって、①最適な関わりを考えるうえで、②その種類と特徴を理解しておくことが大切となります。
多面的に子どもを捉える
発達障害の子どもたちの特徴は、学童保育の生活の中からだけでは、すべてつかむことは難しいものです。
そこで、保護者はもちろん学校の先生からも情報を得ることで、一層と支援の可能性が広がります。
家庭では・・・
学校では・・・
なるほどなるほど
保護者や学校の先生は療育の先生とも繋がっていることが多くあります。
放課後デイや専門機関と繋がっている学童保育所は、保護者の了解のもとに直接カンファレンスを行うことも効果的です。
ここでも運営指針↓
第三章2.障害のある子どもへの対応
放課後児童クラブ運営指針
(1)障害のある子どもの受入れの考え方
・ 地域社会における障害のある子どもの放課後の生活が保障されるように、放課後等デイサービス等と連携及び協力を図る。その際、放課後等デイサービスと併行利用している場合には、放課後等デイサービス事業所と十分な連携を図り、協力できるような体制づくりを進めていくことが求められる。
しかし、多くの学童保育所は、そのような療育機関や発達支援センターなどと直接、繋がっている状態のところは少ない現状があります。
そこでまずは、保護者と学校と学童が、情報交換を密に行う中で、その子にとっての最善の関わり方や支援の方法を交流することが大切となります。
このことが、その子に対する支援の可能性と、その子自身の成長の可能性を引き出すポイントとなります。
多面的に発達障害の子ども捉える視点は、とても大切です。
学校でその子ができることを学童や家庭でも出来るようにする・・・というような連携ではなく、それぞれの場所で見せているその子の様子を、それぞれが理解することです。
それぞれの支援方法や関わり方を一貫することが必要なケースもあります。
しかし、それらをすべて考慮する判断材料としても、まずはその子を真ん中にした話し合いをすることが何より重要です。
それぞれの場所でその子が見せる顔は、そのまま大切にします。
そのうえで、それぞれの場所が繋がり合うことで、いろいろな支援法が生まれてきます。
そして、その子の成長の可能性と支援の可能性は広がります。
それって特別扱い?
学童に通う子どもたちが、発達障害の子どものことをどのように理解しているかも大切なポイントとなります。
例えば…宿題に集中することが困難なADHDの子ども(キュウリ君)に特別に個室のようなスペースを用意するとします。
キュウリ君にとっては、宿題に集中しやすい環境が生まれました。
しかし、まわりの子どもたちにそれがどのように映るかを考えてみます。
いいなー
ぼくもこんなスペースがほしい…なんで、キュウリ君だけ特別なの?
ずるい・・・
と感じる子どもたちも出てきます。
ここで、子どもたち1人ひとりに個室対応をすることや、1人ひとりにキュウリ君の特徴を話することは、難しくなります。
この場合などは、キュウリ君になぜ、いま、その個室が必要であるかの話を全体に向けて行うことが必須となります。
特別扱いに見えることは、キュウリ君に特別な配慮をする必要性があるということです。
そのことを他の子どもたちに伝えなくてはいけません。
子どもたちが理解できるように話をします。
みんなも苦手なことがあるよねー
例えば、字を書くのが苦手な人がいるとするでしょー
苦手でも頑張って努力すると、字を書くのが上手になる場合があるよね。
うんうん・・・
それと同じように見えるかもしれないけど、キュウリ君は、みんなと一緒に勉強をしたくてもどうしても集中できない特徴があるの。
どうしもまわりが気になって宿題が進まないのよ。
キュウリ君がどれだけ集中しようと頑張っても、キュウリ君はそれができない特徴があるの。
がんばったらうまくいくことと、がんばってもうまくいかないことがあって、キュウリ君にとっては、どうしても、あのスペースが必要なのよ。
という内容を伝えるとします。
そっか・・・
キュウリ君には
それが
必要なのか・・・
という感じになれるように全体に話をしてみることが大切です。
このように話をすることで、すべてうまくいくとは限りません。
しかし、特別扱いに見えることは、特別な配慮が必要であることについて、子どもたちと確かめ合うことが重要です。
このような小さな丁寧な確かめ合いを日常的に積み上げていくことが、子ども同士が理解し合える関係性を築きあげます。
支援が必要な子どもも、そうでない子どもも、みんなお互いに認め合う関係性です。
それが構築されることで、みんなが認め合える、安心できる環境が子どもたちの中で育まれてきます。
子どもたち同士が成長し合う豊かな放課後です。
学童保育での支援方法は?
学童保育所で安心して楽しく過ごすことが発達障害の子どもの支援となります。
子どもにとって、安心できる楽しいところであれば、子どもたちはすくすくと成長できます。
それは、学童保育でいつも大切にされている考え方です。
➡︎新人指導員必見‼︎学童保育の仕事の意味と大切にしたい心得とは?
学童保育では
- 集団生活を通して人間関係を学びます。
- たくさんあそんで生きる力を養います。
これらの力は、発達障害の子どもに関しても同じことが言えると考えられます。
そして安心と安定という土台があってこそ、これからの力は培われます。
私たちはまず、その土台づくりに目を向けることが大切となります。
その子にとって最善な関わりとは?
を考えるとき、発達障害の子どもだけが特別ではなく、すべての子どもたちに対する支援と重なる基本部分があります。
それは、私たちが日ごろから大切にしていることです。
それは、子どもたちの言葉にならない言葉を読み取ることです。
それは、子どもたちの言葉の裏側や背景まで読み取ることです。
それは、子どもたちの安心と安定の土台を育み、その子に寄り添う関わり方のことです。
発達障害の子どもに関する支援方法の基本はいつも私たちが大切にしてきていることと結びつきます。
具体的な関わり方も大切ですが、この基本的なスタンスを踏まえておくことも必要と感じています。
まとめ
発達障害とは、発達の凸凹が大きいことです。
(ASD)自閉スペクトラム症
(ADHD)注意欠陥・多動性障害
(LD)学習障害
などに分けられています。
学童保育に通う子どもたちはみんな安心できて居心地よく過ごせる環境が必要です。
発達障害の子どもにとっても心地よく過ごせる生活の場が必須となります。
適切な関わり方をするために、その子のことをよく理解しなくてはいけません。
その子にとって最善な支援方法を考える視点が大切となります。
そのために保護者と学校と学童の連携は不可欠です。その子にとって適切な関わり方などをカンファレンスすることが重要です。
そのことが、その子への関わり方の幅を広げ、その子の成長の可能性も広げることに繋がります。
その子が、特別な配慮を必要としていることを全体の子どもたちと確かめ合うことが大切です。
子ども同士の理解が深まれば、子どもたち同士の中でお互いが成長できる関係が築けます。
日頃から学童保育で大切にしている子どもに寄り添う関わり方が、発達障害の子どもたちにも必要な関わり方となります。
学童保育所で楽しく安心して過ごすことが、そのまま子どもたちの成長につながります。
このように、発達障害の子どもたちを学童保育で受け入れることで気づかせてもらえたことがたくさんあります。
これらの関わり方はすべて、普段の学童保育で大切にしていることの延長線上にあります。
あなたは、あなたのままで大丈夫だよ・・・
そのままのあなたを愛しています・・・
最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。
じゃあねーっ