学童保育指導員として大切なこと。
仕事ができる?
長くはたらく?
そんなものはあとからついてくる。
それよりもまず、心得るべき掟。
基本。基礎。土台。基盤。軸となる掟。
「大切なもの」を見落としていては指導員としてアウト。
このストーリーは、学童保育指導員になった「いおぴいなつ」が学童保育のことを学び、成長していく姿を描いた愛と勇気と感動が詰まった物語です。
舞台はロールプレイング・ゲーム内の「たまねぎがくどうクラブ」です。
学童保育の基礎から応用までのすべてを、最高にわかりやすく、たのしく習得できる最強のバイブルです。
学童保育をゼロから学びたい…
わしと一緒に学ぶんで学童保育のすべてをマスターするぞい‼
なんだかたのしくなってきたわね♪
学童ほいく☆ますたーへの道の扉が今、開きました。
学童保育の仕事に携わるきっかけは、さまざまです。
このストーリーに興味をもったアナタも運命の人…
あのー
学童保育指導員の仕事をおぼえたいいんだけど…
おしえてほしい。
まてまて焦るでない。ちょっと待ったー。
指導員としてこれだけは覚えておくべきことがあるのじゃ。
ここをおさえておかないと指導員として続けていけない。
代々、タマクラ学童クラブの指導員に受け継がれる伝統の掟があるのじゃ‼
指導員として仕事をはじめる前に、気をつけておきたいポイントが5つあります。
基本中の基本です。
では、ここに座りなさい。
おぬしに、この掟を惜しむことなく伝授するぞい‼
私ももういちど確認するわ♪
これは指導員として永遠に大切なことだから
しりたい。
おら、わくわくすんぞー
掟①笑顔であいさつ
あいさつは基本中のきほんじゃぞ‼
しかも「笑顔」じゃぞ‼
学童保育指導員として、まず最初に心がけるのは「あいさつ」です。
指導員から子ども→
「おかえりー」「おはよう」「また明日ねー」
指導員同士→
「こんにちわー」「お疲れ様でした」
ポイントは「笑顔」ね
笑顔であいさつすると学童保育が明るくなります。
新人も中堅もベテランも「笑顔であいさつ」することを大切にします。
そして、同時に日常の感謝、お礼などの声かけも重要となります。
指導員間で「ありがとうございます。おねがいします。うれしいです。」の言葉をかけ合うことは、学童保育をハッピーにします。
気持ちよく働くぞい
子どもたちも、そういう指導員の姿を見ていると思うの。
学童保育指導員は子どもの「鏡」です。
そして「鑑」です。
かがみ…
子どもは指導員のマネをするものじゃぞい
気持ちよくあいさつができる指導員がいる学童保育は子どもも安定した雰囲気で過ごすことができます。
保護者も「そんな学童保育に子どもを預けたい」と感じるはずです。
笑顔であいさつ…
チャレンジしてみるね♫
これは新人指導員に限らず、何百年指導員をしていても大切なポイントです。
掟②指導員としての自覚
我こそは「学童保育指導員」じゃぞい
指導員は子どもとかかわるプロです。
プロとしてそこにいる以上、その行動とふるまいに自覚を持つことが重要となります。
学童保育指導員として「恥じるべき行動はしない」ということです。
暴言、暴力、誹謗中傷につながる行為。
いじめ、無視…などを許さない。
自分がしない‼
当たり前だけど、再確認することが大事ね♪
指導員の発言は、プロとしての言葉となります。
「うるさい、だまれ、お前、ウザい、キモい…」これらの言葉は指導員が発する言葉ではありません。
誰が発する言葉か…という話ではなく、そこのところの倫理観やモラルを指導員として持っておくことが重要ということです。
また、これらは勤務時間中に限られるものではありません。
学童保育指導員になった以上は、「※事業の社会的責任や公共性を自覚する」ことが求められます。
※は放課後児童クラブ運営指針に明記されとるぞい
ある意味、24時間指導員…
守秘義務(しゅひぎむ)
仕事で知り得た情報は、自分の友だちとかはもちろん、家族にも話してはいけません。
秘密じゃ‼
これも運営指針に「守秘義務を遵守する」と明記されてるのね
学童保育指導員として、そこで知り得た情報は、いかなる場合でも他の人にペラペラと話してはいけません。
うちの学童の〇〇君がさー
どうやら家族間の話らしいけどさー
ここだけの話なんだけど…
ついつい、うっかり…は言い訳になりません。
ここでも「自覚を持つ」ことを意識します。
墓場まで持っていくのじゃぞい…
言葉のチョイス・表現
学童保育には様々な家庭環境の子どもが通っています。
そこで指導員が子どもとかかわる際に気をつけるべきポイントがもうひとつあります。
それは、
子どもとの会話での指導員の発言や言葉の表現に気をつけるのじゃ‼
です。
「お父さん」「お母さん」「お金持ち」「びんぼー」「普通は…」などの言葉を指導員が使うことで子どもが傷ついてしまうことがあります。
単身家庭や困難な生活を強いられている家庭に限らず、指導員が発する言葉には日頃から注意を払うことが求められます。
新人指導員が子どもと話す時は、「お父さん」「お母さん」ではなく
「おうちの人は?」
などと表現する配慮が必要となります。
なるほど〜
はじめのうちは慎重に言葉を選ぶんだね…
指導員としてプロとして、社会の一員として、秩序ある行動とふるまいを意識していきましょう。
掟③子どももの権利
「こどものけんり」は最最最重要じゃぞ‼
こどもにとって、いちばんいいこと…指導員は「こどものさいぜんのりえき」を追求した保育をおこないます。
「児童福祉法」や「放課後児童クラブ運営指針」に明記されてるのね
さらに2023年4月から「こども基本法」が施行されたぞい
「こどもをまんなか」にした社会を実現するぞい
大人(指導員や保護者)や会社(運営先)の都合で学童保育をしてはいけません。
こどもにとって、いちばんいいことを軸に、学童保育の生活は営まれるものです。
「この子のために…」と指導員が考えるより、「この子にとってどうか…」を指導員が考えるイメージじゃぞ‼
なんかむずかしい話になってきた…
学童保育での指導員のかかわり方や考え方の例を少し上げてみます。
- ケンカを解決させないと保護者に示しがつかない…
- 保護者にあとで何か言われそうだから宿題をさせる…
- 学童行事を成功させるために子どもにプレッシャーを与える…
- 他の指導員の目を気にして、子どもに指導(注意)する…
こんな考えをもとに、指導員が子どもとかかわるケースがあるとします。
一見、指導員がやっていることは大切なこと、必要なことにみられます。
しかしこれでは指導員や保護者の都合を軸にしてしまっておるぞい…
子どもにとってどうか…
の視点が抜けているのかしら。
私もこのあたりは日々、模索中なの
うーん…
さっぱりわからない…
結局、どうすればいいの⁉
- ケンカを解決することは子どもが学ぶチャンス…
- 子どもが学力を補えるきっかけとなり得るように宿題をフォローする…
- 行事が成功する感動を子どもが味わえるように、子どもが取り組みやすい環境を整える…
- その子自身が自分で気づいて行動できるように、子どもに注意を促し導く…
そう、こんなイメージに考えを変換するのじゃ‼
- 子どもを真ん中においた「まなざし」を指導員が持つこと。
- 子どもからみた景色を指導員がイメージすること。
まずはこんな感じで指導員がとらえるように意識してみます。
イメージね…
子どもにとってどうか?
を考えるんだね。
「イメージ」のイメージ…
そう、まあ最初はそんなもんじゃぞい‼
少しずつ「こどもがまんなか」の意識に変換させるでよいのじゃぞい‼
「子どもにとってどうか」を軸に保育することが、「子どもの最善の利益」につながります。
子どもの権利をしっかりおさえておくことは、何より重要です。
学童保育は以前から「こどもがまんなか」の精神にのっとり保育をすることを大切に実践を積み重ねてきています。
「こども基本法」という法律が後から学童保育に追いついてきたようじゃのう(2023年四月~)
掟④子どもとあそぶ
あそびこそ、最高の学びじゃ‼
学童保育は「あそび」を軸にした生活を大切にしています。
子どもには「あそび」が必要です。
そして子どもは「あそび」から多くを学びます。
勉強や何かの活動も大事かもしれないけど、あそびはもっと大切よね♪
そんなあそびの大切さをまずは理解しておくことが指導員として重要です。
そして指導員は子どもと一緒に遊びます。
わーい♪
一緒に遊んでいいの?
そう。
一緒にあそぶことは重要じゃぞい‼
指導員が子どもと遊ぶことで、指導員と子どもとの「関係性」が深まります。
あそぶことでお互いのことを知るきっかけが生まれます。
あそぶことで
- 指導員が子どものことをよく理解できる
- 子どもに指導員のことをよく知ってもらえる
一緒にあそんでお互いの絆を深めるのじゃ
わーい
あそぶのが仕事⁉
うれしーっ♫
ラッキー♪
でも…
ひとつだけいいかしら。
安全には十分に気を付けてね
あそぶことは大事ですが、指導員は安全にも気を配る必要があります。
指導員があそぶことに夢中になりすぎて
- 子どものケガに気づかない。
- 子どものトラブルをスルーする。
- 子どもと一緒に危険な遊びをする。
こんなことにならないように注意が必要です。
そうじゃのう。
わしらはプロとして子どもの安全を保障するべきじゃからのう。
そこんところはしっかりと自覚を持つべきじゃぞい
安全とあそび
この二つを融合させたり、分けて考えたりしながら全体のバランスを保つことが重要ね。
バランス?ゆうごう?
うーん。むずかしい…
たしかに、むずかしい視点よね。
わたしもそこんところ今、追及しているところなの。
全体のバランスも見ながら、しっかりと子どもとあそびたい…
あそぶことは大切だけど、あそぶだけじゃだめなの。
そこは覚えておくといいわよ。
あそぶだけじゃだめ…
安全をみておるだけもだめ…
うっ…
うん。
指導員は子どもと「あそぶ」ことを重要視します。
しっかりと子どもと関係をつくり、安全と安心に包まれる学童保育になるために、「あそび」は欠かせません。
バランスをみながら、たっぷりとあそぶ。
それがこの「タマクラ学童クラブ」の掟です。
新人指導員は子どもとあそんでなんぼじゃぞい!
掟⑤学び続ける
学ばぬものは、指導員を名乗るべからず…
学童保育指導員は学びを止めてはいけません。
それが、掟(おきて?)
仕事をする上で、わからないことはたくさんあります。
うまくいかないこともあります。
失敗もあるわ…
そんな中、指導員は少しずつ学び、成長していきます。
子どもが学童保育で育つように、指導員もそこでレベルアップします。
それが指導員という者じゃぞ‼
そのために指導員は日々自分の保育を振り返ります。
ふりかえり⁉
ひとり反省会のように、自分と向き合う時間を大切にします。
- 子どもとのかかわり
- 保護者とのかかわり
- 職員間でのかかわり
について毎日、振り返ります。
自分自身のかかわりを整理し、明日につなげていく作業を大切にします。
そこに学ぶチャンスが多くあります。
これは、何十年、何百年指導員をしていても大切な心得です。
逆に
- これだけしておけば、間違いない…
- 子どもはみんな、そういうもの…
- 指導員の仕事って、らくちんラクチン…
こんな風に感じている指導員は、イケてません。
伸び悩みます。
それどころか子ども、保護者、指導員に迷惑をかけることにつながります。
ふりかえりってホント大事ね
学び続ける=ナイス指導員
人それぞれ歩幅は違いますが、一歩ずつ学び続ける場所が学童保育です。
それは子どもも指導員も同じです。
よしっ‼
いっちょ、やってやるか!
おさらい
どれも基本的なものばかりです。
特に②③あたりは超重要じゃぞい
そしてキーワードは「日常」です。
日々の指導員としての「意識」が大きなカギを握ります。
難しい技術を習得するよりも目の前にある大切なものをまずは確実に自分のものにする。
掟=大切なもの。基本ね。
これからがはじまりだね。
うまくできるかわからないけど、まずは意識してがんばってみるね。
このポイント5つは指導員として最も重要じゃ‼
逆に言うとこれさえ抑えておれば、指導員ライフはハッピーじゃぞい‼
その五つ。
これが一番むずかしい。
この困難から背を向ける。
そんな指導員はアウト。
この大切さを忘れる。
なめてかかる。
そんな指導員は失格。
実践しないと意味はない。
おぼえるだけじゃダメ。
ここからが本当の試練の連続…
つづく
がくどうほいくえすと 【登場人物の紹介】
↓なんでもワシに聞いてよいぞい
↓わからないことがわからない…
↓この立場がいちばん大変なのよー
…
【がくどうほいくえすと】は学童保育の基礎や指導員の仕事、学童保育におけるドラマをわかりやすくお伝えするブログじゃぞい。
できるだけたのしく、読めば読むほど為になる。そして元気になれる。
そんな学童保育物語をおぬし等と一緒につくっていくのがワシの使命じゃと勝手に考えておる。
この出会いは運命じゃぞい‼
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
じゃーねー
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ご意見、質問感想、何でもお待ちしていまーす‼