学童保育の子どもの人間関係は複雑です。
特に思春期を迎えようとする高学年女子にとって、それらは顕著にあらわれます。
- 友だち関係の悩み…
- 自分に対する期待と不安…
- 他人の言動や行動が気になる…
毎日聞いてほしい内容があふれるほどあり、しかし逆に「そっとしておいてほしい」と思うこともしばしばある難しい時期です。
そんなある日、私は5年生女子3人組から「話をきいてほしい」と呼ばれました。
その3人組は、普段は「4人組」です。
この日はそのうちのひとりの(Mちゃん)は学童保育を欠席していました。
高学年に差し掛かると、学童保育指導員に何でもかんでも日常的に会話をする…という感じはなくなります。
聞いてほしい話はたくさんあっても、ベラベラ毎日指導員と話をするというよりか、タイミングが合ったときに、とことん話をすることが多いような印象があります。
私が男性指導員であることも要因かも知れません。
この子達はそんな感じの、子どもたちでした。
3人組の聞いてほしい話は、その欠席しているMちゃんの話です。
内容は悪口に近い話です。
Mちゃんについて
- マイペースすぎる…
- 自慢話が多い…
- 一輪車を出しっぱなしにしている…
- 持っている筆箱のセンスが悪い…
- 嫌味をいってくる…
その話は延々と続きそうな予感と匂いがプンプンしています。
その子たちが言うことも、ある程度理解できる部分はありますが、人の悪口のようなことを言うのはよくない、止めてほしい…という思いが私にありました。
しかしそこで、私は考えました。
「でもね…気持ちはわかるけど…」と私が正論を言うことは簡単である。
正論とは、
- カゲで人の悪口を言ってはいけない…
- 気に食わないことがあれば、話し合いで解決すればいい…
などです。そこではなく
「この子達がわざわざ私に声をかけてくれたということは、その正論を聞きたいからではない」
と考えて、まずは彼女たちが言うことをすべて聴いてみることにしました。
「でもね…」と言いたくなる気持ちを抑えて、私はひたすらうなずき、「わかるわかる」という反応し続けました。
その結果、どうなったか…
彼女たち3人は、とても満足した表情に変わりました。
そして笑顔で「おやつの時間」を迎えました。
次の日、Mちゃんは学童保育に登所しました。
いつもと変わらず、いえ、いつも以上に仲が良い4人組となっていました。
- 聞いてほしい話は、ただ聴いてほしい話だったのかも知れません…
- アドバイスがほしいのではなく、ただ不満を聴いてほしい心境だったのかも知れません…
偶然、そのことに私は気づくことができました。
「これは大人でもあることだな…」
私はウチの嫁にすぐに正論を言って、夫婦ゲンカになります。
学童保育指導員として、子どもから学んだこの経験を私生活にも使っていくべし‼そう感じましたのでブログにつづりました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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